今の保険代理店を取り巻く環境
はじめに
保険会社の36年にわたる営業第一線での業務において、個人、法人問わず、様々な社会活動に欠かすことができない「保険」という商品の販売を通じ、社会に安全と安心を届ける仕事の一役を担ってきました。
一方、2016年に保険業法が改正され、生損保の保険代理店業において、お客様をお守りする保険代理店の体制整備等の構築が強く求められて久しいですが、その体制整備を表面的に捉えている保険代理店が多いのも事実ではないでしょうか。
また保険会社もそのような保険代理店への体制整備等の指導についても、その本質的な部分での支援ができていないのが現状です。
さらに保険業界はデジタル化にむけた 業務スタイルに大きく舵を切っており、保険商品の多様化を含め保険代理店の業務全般に至るまで、今は大きな変革期を迎えています。
このような大きく環境が変わりゆく保険業界において、保険会社で培った経験を活かし、貴重な経験をさせていただいた保険業界に恩返しをするとともに、保険商品の販売の担い手である保険代理店の組織体制の構築を主とした業務支援を行うことを通じ、保険代理業の品質の向上を図り、社会に「保険」という仕組みを本当の意味で正しく届けていきたい、と強い思いがあります。
現状の課題と問題意識
2016年に保険業法が改正され、保険代理店業においてお客様をお守りする保険代理店の体制整備等の構築が強く求められてきていますが、実態として多くの保険代理店はその体制整備を表面的に整えているに過ぎません。独自のマニュアル等を策定している保険代理店も多々ありますが、保険会社所定のツールを準用している保険代理店がほとんどであり、PDCAサイクル含めた運用は形式的な範囲にとどまっています。
また保険会社もそういった保険代理店の体制整備へ指導や保険代理店の育成についても、その本質の部分での支援ができておらず、形式的なアドバイスに終始しているのが現状です。保険会社も大型保険代理店にはそれなりの支援を行ってはいるものの、大型保険代理店でさえ体制整備の実質的な運用は大きな温度差があるのも、また事実です。
さらに保険業会はデジタル化にむけた 業務スタイルに大きく舵を切ってきており、保険販売手法が劇的にかわる可能性があります。商品面でも収益悪化が続いている火災保険の商品改定は今後ますます加速化されるものと想定され、さらには自動車保険においても安全運転技術の発展によるマーケット縮小も懸念されています。
このように、保険業界の大変革期はすなわち保険代理店にとっても大変革期でもある今日ですが、このような変化期においても保険会社は、旧態依然として個々の独立した中小代理店を大型保険代理店に参画させることを唯一の策として今もなおすすめています。大型代理店への参画は、今後の代理店経営の方向性の一つの策ではありますが、必ずしもベストな選択方式ではなく、第二、第サンの保険代理店の在り方もあるべきもの、と考えて止みません。
また、保険代理店への販売のノウハウを支援、指導する保険会社内外の組織は多くありますが、保険代理店の立場から、募集品質や業務品質の向上を主眼とした組織強化へのアドバイスを行う支援者は少ないのが現実です。
このような環境の中、皆様の保険代理店に寄り添ったご支援ができる外部の支援者として、組織強化の一役を担うことができましたら幸いです。
アライアンス・ネットワークの構築
業務提携の有無に関わらず、方向性を共有する保険代理店相互のネットワークが構築できたら素晴らしいですね。
かつて保険代理店は代理店相互の情報交換が盛んで、一種のコミュニティーのような集まりがありましたが、個人情報の管理が厳しくなってきて以来、保険会社との間に大きな溝が生じたばかりではなく、保険代理店相互のつながりも気薄なものとなっています。保険代理店の大奥は孤軍奮闘しているのが現状です。
そのような中、大型代理店への参画ではなく、現在の個々の保険代理店としてネットワークに参画することで各種情報の共有化を図り、自身の代理店の業務の質的、量的な向上を目指す、そんなネットワークができると、地域、代理店、保険会社をつなぎ、いつしかお互いが支え合うことでお客様をお守りすることができるのではないでしょうか。
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